御柱用材のアカマツの樹皮の染液で染める岡谷絹工房の会員
長野県岡谷市中央町の岡谷絹工房(小山町子代表)で22日、御柱用材のアカマツの樹皮を使った草木染めが行われた。諏訪市諏訪の呉服店「染と織やまだ」が取り組む、諏訪産の蚕糸で純国産着物を作る「諏訪の絹」プロジェクトの一環。同工房会員がアカマツの樹皮を煮出した染液で、絹糸を希望の色に染め上げた。
やまだの山田恒さん、敦子さん親子が御柱年に合わせて企画したもので、御柱用材の樹皮を使った草木染めは初めての試み。諏訪市茶臼山の手長神社から、同神社の御柱用材の樹皮の払い下げを受けた。2反分を染める予定で、この日は1反分の染色を行った。
山田さん親子と購入を予約している女性が立ち会い、作業を見守った。購入予約者の希望で、色は濃いねずみ色にすることに。会員らは事前に煮出しておいた染液に絹糸を浸し、水洗いし、媒染(ばいせん)する作業を色の濃さを見極めながら繰り返した。初めて染液に漬けた媒染前の絹糸はきれいな赤色で、女性らは草木染めの不思議に見入っていた。
小山代表は「アカマツで染めるのは初めてで心配したけど、きれいに色が出てよかった」とほっとした様子。女性は「好みの色に染めてもらえるなんてぜいたく」と喜んだ。山田敦子店主は「手長神社の皆さんをはじめ、協力してくれた人たちのおかげ。どんなものができるか楽しみ」と話していた。
染めた絹糸は同工房で反物に織り上げ、来年2月に同店で開く展示会で発表するという。
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