家宅捜索時の犬(9月3日 長野県松本市)
多数の犬を劣悪な環境で飼育し、動物愛護法違反の疑いで元社長ら2人が逮捕、送検された松本市の犬販売業者が8日、市保健所に廃業届を提出し、受理されたことがわかりました。
松本市の犬販売業者の元社長の百瀬耕二容疑者(60)ら2人は今年9月、松本市中山の施設で犬を劣悪な環境で飼育して衰弱させたほか、病気にかかった犬を適切に保護せず、360匹余りを虐待した疑いで逮捕され、送検されました。
市によりますと、この業者は8日、市保健所に廃業届を提出、受理されました。また、この日までに、全ての犬が県外の業者などに引き取られたということです。
百瀬容疑者らは松本市中山と寿北の2つの施設でおよそ940匹を飼育していて、ほとんどの犬は9月に警察の家宅捜索を受けた後から、埼玉の業者を通じて、愛護団体などに移されました。このほかの21匹は市保健所が保護し、このうち4匹は市内のボランティアへ譲渡、残りの17匹は選考によって選ばれた個人へ譲渡するため準備を進めているということです。
松本市は先月、業者に対して犬の飼育環境を改善するよう勧告を出していましたが、廃業に伴い、立ち入り検査などは打ち切るということです。
臥雲義尚市長は、定例会見でこの業者の廃業について、次のように述べました。
松本市・臥雲義尚市長:
「少なくとも6月までは事態が放置されていたという認識は県も我々も持たなければいけない。教訓としなければいけないのは、多頭飼育が環境悪化に直結しやすい。この業者の問題についてはこれでひとつの終結であります、これを糧に、松本市として今後どのような動物愛護行政を行っていくかということは事実上これからがスタートだと思っている」
長野放送[/MARKOVE]