長野放送
信州の2つの地方銀行が生き残りに向け大きな決断をしました。28日、八十二銀行と長野銀行が経営統合することで合意。来年6月、長野銀行を完全子会社化し、2025年の合併を目指します。
28日夕方、飛び込んできた大きなニュース。八十二銀行(本店:長野市)と長野銀行(本店:松本市)が経営統合で合意したことを発表しました。
午後5時から八十二銀行の松下正樹頭取と長野銀行の西澤仁志頭取が会見に臨みました。
八十二銀行・松下正樹頭取:
「人材をかけ合わせることで地域と共に進化できる銀行になる」
長野銀行・西澤仁志頭取:
「最善の策は何か考えた上で経営統合を判断しました」
両行によりますと、28日、それぞれの取締役会後に基本合意書を締結したということです。
来年6月1日をめどに八十二銀行が長野銀行を完全子会社化し、2年後の2025年の合併を目指します。
今年3月末時点の両行の預金残高は、八十二銀行が8兆666億円、長野銀行が1兆738億円にのぼります。
低金利政策が続いて利ザヤが縮小する一方、地域経済の落ち込みで地方銀行は全国的に経営環境が厳しさを増しています。両行は経営統合で健全な経営基盤の構築を図るとしています。
長野銀行・西澤仁志頭取:
「金融環境が厳しいというのは松下頭取からも話があった通り。コロナ、資源価格の高騰もありますし、まずはお客さまに選ばれる銀行になるために課題解決を優先したい」
八十二銀行・松下正樹頭取:
「私たちの目指す方向は同じであると、私から西澤頭取に統合の声をかけた。本件は必ずや地域やお客さまや株主、相互の従業員にとって、よりよいものであると確信している」
突然の発表に県民は…
20代:
「八十二銀行で奨学金の返済用に使ってまして、口座がどうなるか心配」
40代:
「使い勝手がよくなればいいのかな」
70代:
「合併されるとどういうことになるのかな。ひとつの口座に整理しなければいけないのか…」
70代:
「長野県に根ざした都市銀行がしっかりしてくれる分にはありがたいと思う。ただ単に大きくなることを目指すのではなく」
信州の地方銀行2行の経営統合。理由は大きく3つあります。マイナス金利政策による利ザヤの減少、地域経済の落ち込み、そして人口減少です。
地銀を取り巻く環境は厳しさを増しており、新潟県でも去年、第四銀行と北越銀行が合併し第四北越銀行ができました。
コロナ禍からの立ち直りを目指す県内経済。阿部守一知事は「相乗効果を発揮し、引き続き県内経済の発展に貢献することを期待しています」とコメントしています。
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