101年の歴史に幕を下ろした「かねこや」（長野市）
老舗の「最後の一日」です。長野市篠ノ井の「かねこや」。信州ではおなじみの「長座布団」発祥の店として知られ市民に愛されてきましたが、時代のうねりの中、101年の歴史に幕を下ろしました。
■信州ではおなじみの「長座布団」 “発祥の店”長野市「かねこや」
「長座布団」でくつろぐ西沢恒子さん
こちらは長野市川中島の西沢恒子さんの家。座卓に敷いているのは正方形の通常の座布団ではなく、長方形の「長座布団」。信州では、おなじみの光景です。
西沢恒子さん：
「楽で良い、この辺の農家はほとんどこれ」
この「長座布団」、西沢さんは長年、同じ店で購入し愛用しています。それは…
かねこや
「長座布団発祥の店」とされる長野市篠ノ井の「かねこや」です。
かねこや店主・森幹生さん：
「周りにフランス産のウールとポリエステルが半分ずつ混ざった綿が巻いてある。クッション性と耐久性を備えている」
営んできたのは、3代目店主の森幹生さん（66）と先代の娘で妻の恵子さん（65）。二人にとって24日は特別な一日でした。
4月24日
客：
「寂しいね」
妻・恵子さん：
「ありがとうございます」
客：
「良いお店、もったいない、おしまいにしちゃうのは」
店の歴史は101年。しかし24日、最後の営業を迎えたのです。
■先代のアイデア商品 「長座布団」は昭和40年代から
かねこや店主・森幹生さん
かねこや店主・森幹生さん：
「ずっと申し訳なさは残ったままですけど、申し訳ないのとありがたいのと、この二つがごちゃごちゃですね」
店の前身は大正10年にスタートした「製綿工場」。戦後、2代目の吉治さんが綿を扱う技術を生かし、布団の専門店へと業態を変えました。
先代・吉治さんのアイデア
その後、昭和40年代から売り出されたのが、おなじみの「長座布団」。先代のアイデア商品です。
妻・恵子さん：
「昔はひと家族の人数が多かったから、その周りにばあっと食事で集まってくると座布団がバラバラでは隙間ができて冬寒いということで、何か面白いことができないかなと」
「大勢でこたつを囲む信州の冬にぴったり」とヒット商品となり、多い年には5000枚以上を売り上げました。
その頃、小学生だった恵子さんは…[/MARKOVE]
