日本チェルノブイリ連帯基金・神谷さだ子事務局長
23日、ウクライナのゼレンスキー大統領が国会で演説しました。現在もウクライナの状況を発信し、物資を送るなどの支援を続けている長野県内の団体もこの演説を聞きました。
記者:
「こちらは松本市の日本チェルノブイリ連帯基金事務局です。ゼレンスキー大統領の演説を事務局長の神谷さだ子さんと聞きました。基金は1986年、旧ソ連、今のウクライナで起きたチェルノブイリ原発事故の放射能汚染地域やイラク、福島で医療支援をしてきた団体で、今はウクライナで国外へ避難しようとしている市民やポーランドへ避難した人の食料品などの支援をすでに行っているということです。それではお話を伺います。先程、大統領の演説がありましたけれども、ウクライナの戦地の状況をどう見ていますか」
日本チェルノブイリ連帯基金・神谷さだ子事務局長:
「軍事演習が始まったという報道のときから、私たちは100回以上、訪問団をロシア、ベラルーシ、ウクライナに送ってきました。友人たちが大勢、各地にいます。とても緊張感を持って見ています」
記者:
「基金では22日夜もウクライナ国内の避難先とネットでつないで、避難の状況などをYouTubeで発信していました。どのような支援が求められていると感じていますか」
日本チェルノブイリ連帯基金・神谷さだ子事務局長:
「きのうのZOOMでの連絡では、激戦地のハリコフ、それからキエフから家族連れで東欧の国へ脱出しようとしている家族たちの声も聞きました。ハリコフから来た家族は、車で来たが途中でガソリンがなくなってしまって、子ども3人を連れて歩いているんですね。また、キエフから来た方は、18歳~60歳までの男性はウクライナに残って戦うと言っていますので、お父さんがいない中で子どもとお母さんだけで逃れようとしているんですが、国内にお父さんを残して脱出できないという家族もいました。その方たちに、とにかく生きていてくださいということで、食料、日用品を支援するルートを開きましたので、これを確実に送っていきたいと思っています」
記者:
「子どもたちも心配ですね。日本の長野にいる私たちができることは、どんなことでしょうか」
日本チェルノブイリ連帯基金・神谷さだ子事務局長:
「政治的な為政者によって一番、翻弄されているのが普通の人たちなんです。その人たちを応援する、まず第一は戦争をやめてもらう。停戦を訴えるということだと思います。それから幸いにもJCFはこれまでの活動の中で培った人的つながりがありますので、その方たちを応援できるような食料品・日用品を届けたり、学校へ行けなくなった子どもたちの気持ちを考えて、継続的な支援をしていきたいと思っていますので、どうぞ皆さん応援をお願い致します」
記者:
「先程の大統領の演説の中でチェルノブイリへの攻撃について話がありました。それについてはどんなふうに見ていますか」
日本チェルノブイリ連帯基金・神谷さだ子事務局長:
「チェルノブイリ原発が占拠されたとき、ザポリージャ原発で火災が起きたとき、それから核施設が占拠されたとき、本当に緊張感がありました。原発事故が一度起きたら、国を越えて世界規模の汚染にみまわれます。それは私たちも福島で経験したことです。核施設への攻撃は絶対やめてほしいと思いますし、その近くにいる人たちを守りたいという気持ちは強く思っています」
長野放送[/MARKOVE]