入笠山の中腹でビーコン(発信機)を使って救助訓練を行う遭対協の隊員
長野県諏訪地区山岳遭難防止対策協会は23日、冬山救助訓練を富士見町と伊那市にまたがる入笠山の中腹で行った。遭対協救助隊や茅野署山岳遭難救助隊、諏訪広域消防本部特別救助隊から約20人が参加。雪山での遭難者の迅速な救助に向けて必要な知識や動作を確認した。
同会は隊員の技術向上を目的に、隔年で無雪期と積雪期に訓練している。今年はスキーヤーが雪崩に巻き込まれて遭難した想定で、捜索から救出、搬送の訓練を行った。
積雪が多い斜面に到着すると、ビーコン(発信機)の探索範囲や使い方などを確認。4人ほどの班に分かれて、山岳遭難救助隊員が袋に入れて雪中に埋めたビーコンを要救助者に見立てて捜索した。
隊員たちは小雪が舞う中、探索音や画面表示を頼りに接近して、プローブ(ゾンデ棒)を雪に差し込んで場所を特定。手持ちのスコップで手早く掘り起こして救出した。現場では監視役を置き、雪崩の跡を手掛かりに進むなどの知識も共有した。
遭対協の高橋政男隊長は「八ケ岳登山者はビーコンを持っている人は少ないが、2次被害を防止するためにも、使用法に慣れておく必要がある」と話していた。
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