足踏み式座繰器の実演を見る留学生ら=岡谷蚕糸博物館
国際協力機構(JICA)の研修員として日本の大学で学ぶ留学生12人が12、13の両日、長野県の諏訪地方を訪れ、産業の歴史を学んだ。包括連携協定を結ぶセイコーエプソン(諏訪市)との地域理解プログラムの一環。13日は岡谷市の岡谷蚕糸博物館を見学し、日本の近代化を支えた「シルク岡谷」の歴史に触れた。
JICAは、開発途上国の将来を担う留学生に対して、日本各地で地域特有の開発事例を学ぶ機会を提供している。エプソンとの同プログラムは、地域に根差した発展の経緯を歴史から学んでもらうのが狙い。留学生は東南アジアやアフリカなどから来日した20~30代で、12日に「エプソンミュージアム諏訪・創業記念館」(諏訪市)を訪れ、13日はセイコーエプソン豊科事業所なども見学した。
岡谷蚕糸博物館では、高林千幸館長の案内で館内を巡り、明治時代以降に一大製糸業地として発展した岡谷の絹文化の歴史などについて説明を受けた。繭から生糸ができるまでの過程や各工程に必要となる専用の機械も見学。足踏み式座繰器の実演を見たり、繰糸機が稼働する宮坂製糸所の工場内を見て回ったりした。
モザンビーク出身で新潟大学大学院で学ぶマビア・エドソン・ダリオさん(34)は「蚕からシルクができていることや、日本の製糸産業の歴史を知ることができて素晴らしい体験だった」と話していた。
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