器具を使ってトルコギキョウの種をトレーに落とす生産者
長野県上伊那地方の主力品種の花トルコギキョウの種まきと育苗が、伊那市東春近の農事組合法人いなアグリバレーで10日、始まった。生産者ら20人ほどが器具を使ってトレーに種をまいた。花の需要は新型コロナウイルス感染拡大前の水準まで回復しつつあるといい、将来的に”日本一の産地”を目指す関係者は、意気揚々と今年の栽培をスタートさせた。
室温25度の温室ハウスで2カ月間ほど育苗し、3月中旬以降に上伊那の約90戸の栽培農家らに苗を供給する。花の出荷は6月下旬から。8、9月の盆から彼岸にかけてピークを迎える。それに併せて種まきの作業も続くという。
県内の生産量は全国1位、上伊那は諏訪地方に続いて2番目の産地だ。JA上伊那によると、年々増える生産量は昨年230万本に達した。今年もさらなる上積みを目指す。それに向けて花を栽培する生産者にオリジナル品種(約50種類)などの苗300万本を供給予定。同法人は県外などへの供給分を含め370万本を育苗する。
単価は昨年、高水準で推移した。物流の混乱で輸入が減り、結婚式などイベント増による需要回復が要因。同JA花き担当の城取五十昭さん(47)は「需要はほぼコロナ禍前の水準。昨年から引っ張りだこです。波に乗って諏訪を追い越し、全国1位を目指したい。そのために良質な苗を供給することが大切」と話した。
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