藩県長(右)が屏東県に残る日本家屋を写真で紹介。今井市長(左から2人目)ら参加した茅野市幹部が関心を寄せた
台湾南部、屏東県の藩孟安県長が3日、長野県茅野市を訪れ、同市北山の古民家一棟貸し施設「ヤマウラステイ渋道」で茅野市の今井敦市長と懇談した。藩県長は県知事に当たる人物で、長野県の歴史的建造物や文化などに関心を寄せており、茅野市の古民家改修や縄文文化を生かしたまちづくりについて理解を深めた。同県と茅野市との今後の交流に期待を寄せた。
日本台湾交流協会が実施する台湾の指導的立場の人物の招へい事業の一環。藩県長は日本の歴史的建造物の保存や活用、文化交流などを目的に11月27日に来日した。屏東県では、1945年までの約50年にわたる日本の統治時代に建てられた建築物が100棟以上あり、修復が行われ、6~7年かけて整備された台湾でも有数の文化保存地区があるという。藩県長は修復された日本家屋の写真をスマートフォンで見せながら「茅野市の古民家の活用や伝統文化の保存について大いに参考にしたい」と述べた。
古民家をリノベーションして宿泊施設として利用しているヤマウラステイは今回の訪日でも特に関心がある場所といい、藩県長は「ヤマウラステイの宿泊は大変意義深いものになるだろう」と語った。
同県では約5000年前のものとされる石斧が出土し、今後、考古館のような施設の建設も検討しているため、茅野市の尖石縄文考古館も視察。今井市長とともに館内をめぐり、国宝土偶の展示方法や同館を含めた一帯の整備について理解を深めた。
意見交換には今井市長のほか、山田利幸教育長、熊谷晃市地域創生政策監兼ちの観光まちづくり推進機構専務理事らが参加。山田教育長が縄文文化や縄文人の精神性、茅野市と台湾・高雄市の中学生同士の交流などを紹介。藩県長は「子どもたちが訪台した際には屏東県にも足を運んでほしい」と伝えていた。
懇談を終えた今井市長は「友好的な関係を構築する場を持てた。今後、さらに交流を深められれば」と語った。
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