永明中学校校庭遺跡の社会体育館建設予定地で発見された弥生時代のつぼ
長野県の茅野市教育委員会は、同市の永明小中学校の建て替え事業に伴い、永明中の校庭遺跡で発掘調査を行っている。対象は同遺跡の西端と考えられている社会体育館建設予定地約1500平方メートルのエリア。すでに弥生時代の高さ推定80センチ、最大径約50センチのつぼや諏訪地域で最大級となる楕円形で長軸約10メートルの竪穴住居跡1軒が発見されている。
同遺跡は1970年、現在の永明小中学校校舎建設時に発見された弥生時代の約5万平方メートルの大規模集落。昨年10月の調査では、今回の調査エリアの北側に隣接する住宅跡地約300平方メートルから弥生時代後期の高さ約60センチの土器のかめが完全な形で出土した。
同遺跡西端エリアで見つかっている二つの土器は横向きで意図的に埋められた状態だった。同市教委文化財係は、かめやつぼに死者の遺体、骨などを入れて埋葬する「甕棺」の墓地があった可能性を推測。今後、同市の尖石縄文考古館でかめに詰まった土を調べるという。
今回の調査は6月末まで行う予定。同係の堀川洸太朗さん(27)は「弥生時代の集落の構造や当時の地形、時代の移り変わりを知る上で重要な資料になる」と期待した。
[/MARKOVE]