大相撲本場所の土俵俵に使う稲を手刈りする関係者
大相撲の土俵俵の製作など手掛ける長野県飯島町の合同会社わらむ(南信州米俵保存会)は27日、土俵俵用わらの稲刈りを駒ケ根市南割のほ場で行った。2018年九州場所(11月)から大相撲の土俵俵を手掛けており、今年で5年目。関係者によると、今年も上出来といい、収穫した分は来年の初場所(1月)から使う。
巡業や相撲部屋にも土俵俵を納入しているが、この日の収穫は年間6場所ある本場所用のため、全て手刈りした。同社わら細工職人ら10人ほどが、必要となる2アール分を手分けして刈った。稲は伊那谷に古くから伝わる「白毛餅米」で、角界関係者からは「色が美しく、太くてしっかりとしている」と好評を得ている。
代表の酒井裕司さん(47)によると、稲わらは町内にある同社のビニールハウスで乾燥、保管する。しかし、先日の台風14号の影響でハウスが倒壊。九州場所の準備など今後に影響が出ていたが、地域の農家の協力で他のハウスを借りることができたという。
酒井さんは「素晴らしい稲が育ったので、あとはしっかりと乾燥させ、最高の状態に仕上げたい」と話している。
同社は土俵俵のほか、わら細工など手掛ける。稲の栽培は今年も上伊那農民組合(南箕輪村)が協力。計90アールのほ場から4~4.5トンの稲わらの確保を目指しており、収穫は10月中旬まで続くという。
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