南ア林道バスは旧長谷村時代の1980年に運行を開始。マイクロ10台で運行する。バス営業所によると、山岳環境に配慮するため小型の車両に制限されていたが、排ガスなど車両の性能が向上していることなどを踏まえ、中型バスの導入も可能となったという。
市側は人手不足で運転手の確保が困難になるなど課題を抱える。昨季の利用者は5万735人と前年の約2倍に。コロナ禍で落ち込んだ利用が回復している。また、山梨県側の北沢峠-広河原では2019年の台風19号豪雨で大規模な土砂災害が発生。当面は不通が続き、南ア仙丈ケ岳や甲斐駒ケ岳を目指す登山者の伊那市側からの入山増が見込まれる。
このため、効率的な輸送を図る狙いで中型バスを導入する。定期的な車両更新に伴い、マイクロ10台のうち半数ほどを中型に切り替える方針。今年度は、部品不足で車の納入遅延が続いているため「営業中に間に合うか分からないが年度内には入れたい」と営業所。「道幅が狭く、車両も大きくなるが安全を第一に運行したい」とする。導入費は2479万円。カラーリングは現行のデザインを引き継ぐ予定という。
25日から運行を始める今季の時刻表は市ホームページに掲載。運行時刻に昨年からの変更はない。主な料金は仙流荘―歌宿は片道850円、仙流荘―北沢峠は同1150円(いずれも小児半額)、登山道具など手回り品料金は220円。昨年有料化した戸台口駐車場の利用は5日以内1000円など。問い合わせは営業所(電話0265・98・2821)へ。[/MARKOVE]