湖岸から100メートルほど沖で氷を割る諏訪市小和田の八剱神社の関係者=午前6時47分ごろ、同市豊田の舟渡川河口沖
放射冷却現象の影響で、22日朝、長野県の諏訪は今年2番目の冷え込みとなる氷点下10.3度を記録した。御神渡り(御渡り)の判定と神事をつかさどる八剱神社(諏訪市小和田)は、今季8日目となる諏訪湖面の「全面結氷」を認定。宮司や氏子総代らは、分厚く凍った湖面を沖合へ歩いて氷の厚さを測定し、朝日を拝みながら出現を願った。
湖岸の気温は手元の温度計で氷点下11.3度と、5日の観察開始以降一番の寒さだった。雲一つない空は澄み渡り、北アルプスの常念岳や大天井岳が塩尻峠から顔を出していた。湖中央がぽっかりと開き波打っていた前日とは打って変わり、見渡す限り結氷していた。
参加者はこれまでで最も湖岸から離れた約100メートル沖合に進み「氷斧」を振るって氷を採取。厚さは10センチほどで、うち一晩で凍る「一夜氷」は4.5センチ成長していた。参加者は切り取った氷の重さを確かめたり朝日にかざしたりして、自然の偉大さを実感していた。
宮坂宮司は「快晴無風でスカッとした気分になった。自然は正直で、寒さが続けば氷が張る」と今後の冷え込みに期待した。観察後は居合わせた全員で朝日を拝みながら4年ぶりの出現を祈った。
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