諏訪湖で20日に打ち上げる小型ロケット6号機の予備機
長野県の諏訪5市町村が連携して取り組む「モノづくり集積地SUWAのヒトづくりプロジェクト」は16日、新たに開発した小型ロケット6号機を公開し、20日に諏訪湖で打ち上げると発表した。プロジェクトマネジャーの中山昇・信州大工学部准教授(51)は、新機体を「諏訪湖で打ち上げるロケットの完成形」とし、打ち上げ成功に期待した。
諏訪圏のものづくり技術の周知と人材育成につなげる取り組み。2015年度に始まり、20年度から現プロジェクト名になった。19年度に諏訪湖での打ち上げを想定した5号機を開発。20年3月、打ち上げに成功した。新型コロナの影響で開発を中断され、今回2年ぶりに打ち上げる。
6号機は全長205センチ、直径10.2センチで、5号機とほぼ変わらない。空気抵抗が小さい形状を採用し、先端を鋭くした効果で予想最高到達高度が上がった。併せて尾翼形状も変更。多くの部分は加工部品の入手性が高くコストを削減できるGFRP(ガラス繊維強化プラスチック)製で、諏訪湖で打ち上げる場合の機体製作の簡易性を重視した。
「缶サット」と呼ばれる小型の人工衛星に見立てた物体を機体に搭載。タイムスリップして空から落ちてきたというコンセプトを持つ諏訪市公認キャラクター「諏訪姫」の人形とカメラが乗る。物体は打ち上げ後に機体から分離して、諏訪姫が空から諏訪湖に落ちていく様子を撮影する。
機体の外装には、諏訪5市町村の6小中学校の児童生徒が描いた絵を使用。諏訪湖の青や八ケ岳の緑など諏訪の姿をグラデーションで表した。
20日は午前10時、諏訪湖に浮かべた台船から6号機を打ち上げる。気象条件によって時間を変更する。岡谷市の信大諏訪圏サテライトキャンパスで機体をお披露目した中山准教授は、「打ち上げが成功すれば、今後、諏訪地域でロケットがたくさん打ち上げられるようになると考えている」と話した。
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