霧ケ峰の自然について説明を受ける参加者
長野県諏訪市郊外の霧ケ峰・車山肩で21日、自然観察会が開かれた。同市教育委員会から霧ケ峰自然保護指導員に委嘱されている信州大学などの大学生がガイド役を務める活動で、コロナ禍の影響で3年ぶりに開催。県内外から家族連れらが訪れ、高原を彩る夏の草花を観察した。
霧ケ峰の自然と触れ合い、植物に親しんでもらう観察会で、車山肩にあるビーナスの丘周辺を約1時間かけて散策する。午前と午後の部があり、信大農学部2年の学生(20)と同大理学部1年の学生(18)が案内した。
農学部2年の学生は手描きのイラストを掲げ、高原にある国天然記念物の八島ケ原、車山、踊場の各湿原を取り上げた。植物を見て回り、黄色のアキノキリンソウや薄紫色のマツムシソウなどを紹介。シカの食害からニッコウキスゲを守るために設置された電気柵を示すとともに、柵の外でも自生するヨツバヒヨドリについては「シカは好んで食べない。チョウのアサギマダラが蜜を吸う」と説明した。
午前の部には5人が参加した。東京から親子で訪れた会社員の倉竹悠さん(45)は「コロナ下で夏休みの旅行は久しぶり。見過ごしてしまう草花も、説明があってよく分かった」。長男(10)は「見たことがない植物ばかり」と話した。
大学生は「質問も多く寄せられ、自然に関心を持ってもらえたのでうれしい。来年も来てくれたら」と期待していた。
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