ミヤマシジミの幼虫の食草となるコマツナギの苗を植える植栽会の参加者=飯島町の田切クリーンセンター埋立場跡地
長野県飯島町に多く生息する絶滅危惧種のチョウ・ミヤマシジミの保全に取り組む住民団体「ミヤマシジミ里の会」は21日、ミヤマシジミの幼虫の食草となるコマツナギなどの植栽会を同町田切の田切クリーンセンター埋立場跡地で行った。ミヤマシジミが生息できる環境を一から作る活動。町民ら約30人が参加した。
2021年に発足し、同町などミヤマシジミの生息地域の住民から成る同会。これまでに同町と中川村でミヤマシジミの生息地域やコマツナギの分布地域などを調査した。植栽は今年の春に立ち上がった話で、同センターから土地の提供を受け、この日は2カ所の埋立場跡地に植栽した。
多くの人にチョウの保全に関心を持ってもらう目的で一般住民に参加を呼び掛け、作業に先立ち座学を実施。チョウの保全には食草の繁殖など環境づくりが大事であることや、田切ではミヤマシジミが絶滅に近い状態であることを学んだ。同会が昨年採取したコマツナギの種から育苗した約400株などを植えた。
今後は、成虫も生息できる環境を目指しさらに整備を進める。同会は「地域の協力を得てミヤマシジミがたくさん舞う地域にしたい」と期待。作業に参加した同センターの親会社・前田産業(飯田市)の前田英司専務は、環境施設の跡地を自然保全活動で活用するのは珍しいとし、有効な後利用を歓迎した。
[/MARKOVE]