上田瑠偉選手(画像提供・Red Bull Media House)
山岳ランナーの挑戦です。長野県大町市出身の上田瑠偉選手が7月、ギネス世界記録に挑戦しました。挑んだのは、富士山を1日で4回登頂する最速タイムです。果たして結果は?
早朝の富士山5合目。緊張した面持ちでスタートを待つのは、大町市出身のプロ山岳ランナー・上田瑠偉選手(28)です。この日、富士山で限界に挑みました。
提供・Red Bull Media House
上田選手は山岳など、整地されていないコースを走るトレイルランニングの世界的ランナー。
山岳ランナー・上田瑠偉選手(2019年取材):
「一番は景色ですね、山の山頂から見下ろす絶景だったりとか、獣になったような疾走感を感じながら走るというのが競技の魅力かなと」
佐久長聖高校では駅伝部でしたが、大学でトレイルランニングを始め、頭角を現します。これまで世界大会でアジア人で初めて優勝を果たすなど、活躍を続けています。地元・大町市では家族と一緒に子ども向けの大会を開催するなど、競技の魅力発信にも努めています。
その上田選手が富士山でギネス世界記録に挑みました。5合目の富士宮口をスタートし、4つの登山口と山頂をつないだ「一筆書き」のルートを走って、4回登頂するチャレンジです。
提供・Red Bull Media House
他のランナーが出した参考記録は11時間53分44秒。上田選手はそれを1時間以上も縮める10時間台でのゴールを目指していました。
短い休憩を取りつつ―
山岳ランナー・上田瑠偉選手:
「行ってきます」
提供・Red Bull Media House
総距離は57.06キロ、累積の標高は6772メートルです。安定しない足場、低酸素など過酷な状況の中、上田選手はアップダウンを繰り返します。
「最後、ファイト」
そして、午後2時過ぎ、ゴール地点の富士宮口に上田選手の姿が見えました。
山岳ランナー・上田瑠偉選手:
「ありがとうございました」
記録は、目標の10時間台を切る9時間55分41秒。上田選手は、涙を浮かべながらレースを振り返りました。
提供・Red Bull Media House
山岳ランナー・上田瑠偉選手:
「8合目以降が本当につらくて、腰だったりとか…4回も登っているので内臓も低酸素の中でダメージがきていて…最後はギリギリでしたけど、自分の目標を上回ることができて達成感があります」
ゴールから1時間後…。
ギネス認定員:
「それでは、審査結果を発表します。富士山全登山ルートを走破した最速タイムは…9時間55分41秒で、ギネス世界記録認定です。おめでとうございます!」
今回の記録を勢いに変え、8月からヨーロッパを転戦する上田選手。今回の挑戦を通して、山岳ランの楽しさを多くの人に知ってほしいと話しています。
山岳ランナー・上田瑠偉選手:
「景色のきれいさや、下りの疾走感だったり、アスファルトのランニングにはない楽しみがあるので、そういったものを感じてもらえたら」
[/MARKOVE]