御嶽山を慰霊登山した人たち(31日)
御嶽山の噴火災害から9月で8年になるのを前に7月31日、遺族らが慰霊登山をしました。多くの人が亡くなった「八丁ダルミ」は立ち入り規制が続いていて、悔しさをにじませる遺族もいました。
御嶽山頂を目指す登山者たち。犠牲者を悼む「慰霊登山」です。2014年9月27日に起きた噴火は、死者・行方不明者63人と戦後最悪の火山災害となりました。
間もなく8年。7月31日は遺族や当時、負傷した登山者など11人が、木曽町側の登山道から最高峰の剣ヶ峰(3067m)を目指しました。
山頂でヒマワリの花を供えた愛知県一宮市の所清和さん(60)は、噴火で息子の祐樹さん(当時26)と婚約者の由紀さん(当時24)を亡くしました。
息子とその婚約者を亡くした・所清和さん:
「8年たってまだ亡くなった場所に行けないなんて、それが一番悔しい」
2人が亡くなったのは、山頂直下の八丁ダルミ周辺。しかし、2022年6月まで噴火警戒レベルが上がっていたため避難用シェルターが設置できず、立ち入り規制が続いています。
息子とその婚約者を亡くした・所清和さん:
「(規制線から)下におりられないのが悔しかった。今年はと思っていたんですけど」
安曇野市の野口弘美さん(64)。最愛の夫・泉水さん(当時59)を山頂付近で亡くしました。
これは泉水さんが亡くなる直前に撮影した写真です。
弘美さんの元に戻ってきたのは、変形したカメラと灰にまみれた腕時計…。
いつも一緒に山に登っていましたが、8年前は弘美さんが仕事のため泉水さん1人でした。
夫を亡くした・野口弘美さん:
「亡くなった場所で水かけて、好きだったロックを3曲くらい聴いてきました」
噴火時刻の午前11時52分に黙とう―。
慰霊のシャボン玉も…。
山びこの会代表・シャーロック英子さん(63):
「今年はぜひ八丁ダルミで慰霊をしたいと思っているんですが、火山ということでなかなか実現できない。火山と共生していくのは難しいし、忍耐がいるなというのは8年たって新たに感じています」
遺族の高齢化が進む中、「山びこの会」は来年こそ「八丁ダルミ」で慰霊をと願っています。
なお、遺族などが国などを相手取った訴訟は、一審で損害賠償が認められなかったのを不服として、原告側が控訴。再び法廷で争われることになりました。
長野放送[/MARKOVE]