北八幡川
もうすぐ出水期を迎える中、気象情報と共に大事なのが、日ごろからの備え。長野市は、内水氾濫がたびたび発生している北八幡川とその周辺の地域を対象に、中小河川では初となるハザードマップを作りました。地域の防災計画に役立ててほしいとしています。
2020年7月
長野市の古牧地区や朝陽地区を流れる北八幡川。普段は穏やかな小さな川ですが…
2020年7月、ゲリラ豪雨で川の水位が急激に上がり、支川や水路の水があふれました。いわゆる「内水氾濫」で、周辺の地域では床上・床下浸水が相次ぎました。ここ10年で3回(2012年・2017年・2020年)の浸水被害が発生しています。
北八幡排水区の内水ハザードマップ
(記者リポート)
「北八幡川は、近年の集中的な大雨でたびたび氾濫を起こしてきました。そうした中で長野市はハザードマップを作り、日ごろからの備えや防災対策に役立ててほしいとしています」
長野市が今年3月に制作した北八幡排水区の内水ハザードマップ。「1000年に1回程度」の大雨(1時間に131ミリかつ3時間総雨量237ミリ)を想定しています。
ハザードマップ
川沿いに50センチから1メートルほどの浸水を示す青色が目立ち、川から離れた住宅地でも10センチから50センチほどの浸水を示す水色や黄色の場所が多くあります。
相次ぐ氾濫を受け市は、中小河川対象としては初のマップを作り、地域の9000世帯に配布しました。
長野市河川課・清水永一課長補佐:
「危険個所や、いざという時にどう行動したらいいか、そういった情報を提供して、日ごろからの備えとして活用してもらいたい」
住民は…
住民:
「参考にしたいと思います。(避難する時に)便利です」
「水害が多いのでとても心配なんですけど、(マップがあると)気を付けようと思う」
ハード対策として改修工事など
ハード対策として、市はこれまでにも水の流れる面積を増やす改修工事や調整池の容量拡張の検討も進めていますが、水害から命を守るためには、住民の防災意識などソフト対策も重要。
古牧地区では各区ごとに年に1回の防災訓練を行っていて、今後はマップを活用した訓練や研修会なども開く予定です。
古牧地区住民自治協議会・塩入茂会長
古牧地区住民自治協議会・塩入茂会長:
「いざ雨が降った時に自分で情報を取り、ハザードマップを参考にしながら避難できる、非常にありがたいマップになっている。もらって終わりではなく、自分たちの中にしみこませるのが大事だと思っている」
間もなく迎える出水期。自宅の周りのリスクを改めて確認し、備えることが重要です。
なお、長野市では、川へ流れ込む雨水を減らすため、雨水貯留タンクや雨水浸透施設の設置への助成を行っていて、ぜひ活用してほしいとしています。
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