「よいさ、よいさ」と声を上げ、心を一つに御柱を曳く氏子たち=本宮二
諏訪大社式年造営御柱大祭(御柱祭)上社里曳きは3日、開幕した。本宮の社殿の四隅に建てる4本の御柱が茅野市宮川安国寺の御柱屋敷を出発。人力による力強い曳行で各柱とも予定通りの位置まで進めた。コロナ禍でいつもとは違う御柱祭だが、氏子たちは感染対策に万全を期しつつ、先人から受け継いだ技術を駆使し力いっぱい御柱を曳いた。
暖かな日差しが降り注ぐ五月晴れの里曳き初日となった。午前7時30分ごろ、御柱屋敷で本宮一(豊平・玉川)の曳行開始と関係する氏子の安全を祈願する「綱渡りの神事」があり、同8時30分に曳行を開始。氏子たちは木やり衆による気持ちが入った木やりで心を一つにし、力強く曳き出した。
この後、本宮二(原・泉野)、本宮三(宮川・ちの)、本宮四(金沢・富士見)の順に出発したが、当初の予定時間からは遅れ、本宮四が出発したのは予定より3時間以上遅い午後1時ごろだった。それでも午後4時30分ごろまでには4本すべてが予定の場所に到着。氏子の力で遅れを取り戻した。
御柱迎えの「お舟」の行列は午前10時に諏訪大社上社本宮を出発。茅野市高部の下馬橋を通った所で本宮一と出合った。沿道からは「お舟」に向かってさい銭を投げ入れる人たちの姿が見られた。
曳行路では御柱をひと目見ようと、多くの人でにぎわった。綱を定期的に消毒する感染対策を取る地区もあった。
里曳きの華で、諏訪市中洲神宮寺区が受け継ぐ奉納騎馬行列は、曳行前の本宮一を迎えた後、御柱を先導する形で進んだ。すり足で体を上下させて進みながらさまざまな技を披露し、観客を魅了した。長持ちや踊りなども登場し、祭りを彩っていた。
前宮の4本は今回、里曳き2日目に曳行を開始する。4日は本宮、前宮のすべての御柱が両宮の境内に曳き着けられ、5日の建て御柱を待つ。
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