「移住者専用団地」に入居した家族(提供写真)
特集は移住の新たな「カタチ」です。去年、長野県佐久市に市営住宅を改修した移住者専用の団地ができ、入居者を順調に増やしています。「専用団地」のメリット、人気の秘密を取材しました。
移住者専用の「ホシノマチ団地」(長野県佐久市)
「料理しているからね、いいにおい」
娘の鈴那ちゃん(2)を見守るヘンリクソン・ナサニエルさん(41)と八峠理美さん(37)。
去年12月、ヘンリクソンさんの仕事がリモートワークになったことをきっかけに、一家で佐久市に移ってきました。
ヘンリクソン・ナサニエルさん、八峠理美さんの家族
ヘンリクソン・ナサニエルさん:
「(佐久市は)都会過ぎず、田舎過ぎず、ちょうどいいところ。冬はちょっと寒いけど、自分が生まれ育った環境(アメリカ・ワシントン州)に近くて居心地がいい」
移住先を佐久市にした決め手は…。
八峠理美さん
八峠理美さん:
「ホシノマチ団地を気に入って移住してきたんですけど」
一家が住む佐久市臼田の「ホシノマチ団地」。きれいな星空が見える臼田地域にちなんで名付けられ、壁には星座がデザインされています。
壁には星座がデザインされている
去年3月から入居が始まり、この1年で16戸中12戸が埋まりました。入居者は全て移住者。ここは「移住者専用」の団地なのです。
「ホシノマチ団地」は下越団地という市営住宅の一角にあります。下越団地は、当初8割ほどの入居率でしたが、2008年ごろから空室が目立つようになります。原因は地域の「人口減少」でした。
佐久市役所移住交流推進課・荻原あゆみ課長
佐久市役所移住交流推進課・荻原あゆみ課長:
「臼田地区では人口減少を抑止すること、地方共通の課題である雇用の確保、地域の活性化が問題だった」
そこで市は国が進めていたモデル事業に手を挙げ、臼田で中高年の「移住促進」に取り組みます。
佐久市
首都圏とのアクセスの良さに加え臼田には総合病院もあり、中高年の移住に向いているとの見通しもありました。その受け皿として整備されたのが「ホシノマチ団地」です。
コンセプトを考えたのは、指定管理者となったコンサルティング会社「みんなのまちづくり」です。
地域づくりに長く関わってきた伊藤洋平社長。「移住者専用団地」には安心感というメリットがあると話します。
[/MARKOVE]