長野放送
長野県茅野市で起きた土石流では、高部地区では建物8棟が全壊するなど大きな被害が出ましたが、人的被害はありませんでした。これは、地区の防災意識の高さが影響しています。8日も午後から雨となりましたが、区長らが住宅を回り、片付け作業をする住民に早めの避難を呼びかけました。
藤森政博さん(58)の住宅では、親せきなども訪れ、8日朝から貴重品の運び出しなどを行っていました。
藤森政博さん:
「2階は無事だったのでパソコンとかプリンターとか(運び出した)」
午後、雨の予報もあり作業を急ぐ藤森さん。
そこに訪れたのは、高部地区の区長です。
高部地区・藤森芳久区長:
「降りだしたら早めの避難をお願いします」
藤森芳久区長が訪れ「早めの避難」を呼びかけました。こうした呼びかけは、土石流が起きた5日にも行われていました。
5日、市は午後7時45分に避難指示を発令。市と区の役員はその前から連絡を取り合い、発令後は役員らが一戸ずつ訪ねて避難を呼びかけました。
住宅8棟が全壊となるなど大きな被害が出ましたが、けが人は出ませんでした。
高部地区・藤森芳久区長:
「避難できない人もいたけど、そういう人は2階へ垂直避難。このおかげでけが人も出なくて、それだけが救い」
区長は毎年1回、住民全員で行う避難訓練の成果も出たと話しています。片付け作業を行っていた藤森政博さんも当時、近所の人に声をかけながら避難したということです。
藤森政博さん:
「(防災は)普段から意識してる。『あの家、1人だよね』『おばあちゃんいるよね』とか。人の横のつながりが強い地域だと思うので」
茅野市では午後3時ころから雨が降り始めましたが、多くの住民が夕方までに避難したということです。
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