座ったまま楽しめる「デュアルスキー」
特集は障がいを抱える人も座ったままスキーが楽しめる「デュアルスキー」です。今シーズン、長野県の志賀高原にあるホテルも導入しました。「我が子と一緒に」という母の思いを出発点に、誰もがスキーを楽しめる環境を目指しています。
デュアルスキー
ゲレンデをさっそうと滑る「デュアルスキー」。背もたれ付きの椅子にスキー板がついていて、後ろの「パイロット」に操作してもらいながら、座ったままスキーが楽しめます。
障がいがある人でも気軽に滑走でき、近年、長野県内でも導入が進んでいます。志賀高原の丸池スキー場に隣接する「丸池ホテル」も、クラウドファンディングによる資金調達や県の補助で今シーズンから導入しました。
丸池ホテル・池上惠光さん
丸池ホテル・池上惠光さん:
「去年、新型コロナの影響で導入することができなかったのですが、今季は晴れて導入することができ、本当に良かったと思います」
家族でホテルを経営する池上惠光さん。デュアルスキーに特に乗ってほしい人がいました。
長男・将太さん
15歳になる長男の将太さん。体はほとんど動かせません。
すやすや眠る赤ちゃんだったころの将太さん。2598グラムで生まれ、何事にも興味を持つやんちゃな子でした。
提供:池上惠光さん
しかし、1歳の誕生日の3日前、突然、けいれんと意識障害を起こします。3週間後、ようやく目覚めた将太さんは、体を動かすことができず、ただ泣くばかり…。ヘルペスウイルスによる「急性脳症」でした。
NBS長野放送
丸池ホテル・池上惠光さん:
「あのときは『こんなの将太じゃない』って思っていて、もう本当にどうしたらいいか分からなくて、どん底にいる感じで、将太と一緒に死んだ方がいいんじゃないかという気持ちが強かったです。とある方に『どんな状態でも将太は将太だよ』って言葉をもらって、よくよく考えてみれば、そうだよなって、どんな形であれ、どんな姿であれ、中身が将太であることは変わらないと。とても反省しました。将太と楽しい生活を送っていこうと、私にできることはなんでもしてあげようと」
[/MARKOVE]