資料 国会議事堂
衆院選のシリーズ「候補走る」。22日は3区です。立候補したのは、届け出順に立憲民主党・新人の神津健さん。自民党・前職の井出庸生さん。NHKと裁判してる党弁護士法72条違反で新人の池高生さんの3人です。長野県内最激戦区と目されていますが、これには理由があります。
衆院選 長野3区
小選挙区になって、初めて行われた1996年の総選挙。羽田孜さんと井出正一さんが議席を奪いあい、羽田孜さんが勝利。その後も羽田さんが議席を守ってきました。
衆院選 長野3区
2012年に羽田さんの後継の寺島義幸さんが当選しますが、2014年、井出正一さんの甥、井出庸生さんが議席を奪います。その後、井出さんは民進党、希望の党と移り、2017年には羽田家の後援会「千曲会」の支援も受けて当選します。
衆院選 長野3区 立候補者
ところが2019年、自民党に入りました。これに対し立憲と千曲会は羽田孜さんの甥、神津猛さんを擁立。25年前の羽田対井出の構図が再び浮かび上がり、激しい選挙戦が繰り広げられています。
立憲民主党の神津健さん。21日は南佐久地域を回り、自公政権下で広がった格差の解消や政権交代を訴えました。
立憲・新・神津健さん(21日 南相木村):
「一部の強い者のみが豊かになっていき、格差がどんどん広がっていく社会をつくるのではなく、私たち一般庶民が暮らしの豊かさを実感できる暮らしの底上げを図り、格差を解消し、持続可能な支え合う社会を実現していきたい」
神津さんは羽田元総理の甥。去年亡くなったいとこの雄一郎さんに生前、勧められ、政治の道へ進む決意をしました。
前回、井出さんを支援した羽田家の後援会「千曲会」など陣営内では井出さんの自民入りに批判の声が上がっていますが、神津さんはこの日の街頭演説では触れませんでした。
しかし、記者が直接マイクを向けると・・・。
立憲・新・神津健さん:
「(井出さんは)向こう(自民)に行ってしまって、有権者の思いも途切れさせてしまったと思う。(「対井出」を)私自身は、あまり意識はしていない。『神津』対『井出』の戦いの中で、『羽田』が私のことも支援してくださっている」
立憲・新・神津健さん:
「まさに縁起を担いで…」
昼食は験担ぎの「とんかつ」。
立憲・新・神津健さん:
「おいしいです」
立憲・新・神津健さん:
「羽田孜先生、羽田雄一郎先生の志を引き継いでまいります」
選挙戦で強調するのは、2人の遺志を受け継ぐ覚悟。「千曲会」のバックアップを受けながら、議席の奪取を目指します。
立憲・新・神津健さん:
「羽田孜先生の『政権交代可能な政治を日本に定着させる』という志。雄一郎議員の『子どもの未来を守っていく』という志。私は引き継いで、今回の選挙戦を戦っています」
自民・前・井出庸生さん:
「政策を実現する、地域の課題を解決する。2年前の自民党入りを含め、私自身のことを評価頂く、判断頂く、そういう選挙でもあります」
自民党の井出庸生さん。選挙戦では与党入りの説明もしています。
この日は軽井沢町や御代田町へ。街頭演説には自民入りを歓迎する自治体の長や公明党の議員が加わります。
立場は変わりましたが自身の姿勢は変わらないという井出さん。それを象徴するのが2010年の初出馬から使うタスキです。
自民・前・井出庸生さん:
「原点みたいなものなので。僕自身のやることは変わらないです。もともと有権者を男女とか年代とか、企業関係者だなんだとかっていうものを分け隔てなくやってきたので」
昼食は公園でサンドイッチを口に…
自民・前・井出庸生さん:
「この“映える”やつ、いただきます。(ニンジン)甘い。選挙になると野菜なくなるから…」
再び浮上した「羽田」対「井出」の構図には…
自民・前・井出庸生さん:
「自分は自分で自分のやること、訴えるべきことを最後までやるということかな」
コロナ禍で広がった格差是正や地域のインフラ・防災の整備などを訴えつつ、与党入りの決断に理解を求める選挙戦です。
自民・前・井出庸生さん(21日御代田町):
「応援の声、ご批判にも正面から向き合っていきます。積み重ねてきた活動は活動のための活動ではありません、思いを形にしていく、政策を実現する。この地域に根を張って日本のために、わが身を賭す覚悟で頑張ってまいります」
「NHKと裁判してる党弁護士法72条違反で」の池高生さん。弱者を守る政策の実現を訴えています。
N党・新・池高生さん:
「(NHKの)集金人に苦しめられている弱い人、いじめを受けている弱い立場の人、ネット上で誹謗中傷を受けている弱い立場の人、こういう弱い立場の人を守りたい」
県内には選挙事務所を置かず動画投稿サイトで訴えを発信します。
N党・新・池高生さん:
「旧態依然とした自民党の悪いところが復活したと思います。かといって、立憲民主党が共産党と手を組むとか、国民の理解を得られるのか謎です。自民党の対抗となる政党、取って代わる政党ができないといけないと思っています」[/MARKOVE]