長野県教委・原山隆一教育長
県立高校の男性教諭が、女子生徒にわいせつな行為をしていたにも関わらず、処分せずに退職した問題。長野県教委は、当時の校長と県教委の担当者を減給の懲戒処分としました。今後、再発防止に向け被害の申し出などがあった場合、情報共有を徹底するとしています。
24日、県庁で開かれた県教委定例会。
県教育委員:
「子どもへの人権侵害のなにものでもない。大人が自分たちの立場を利用、優先したことが問題」
教育委員から厳しい意見が出たのは、高校教諭のわいせつ問題です。おととし8月、県立高校の男性教諭が女子生徒を誘って日帰り温泉に連れ出し、車の中で手を握ったり耳たぶを触ったりしました。
生徒から校長に申し出がありましたが、県教委に報告せず、その後、保護者から申し出があった県教委もしっかりと調査せず処分しないまま、教諭は翌年3月に定年退職しました。
一連の対応を疑問視する通報があったことから、県教委のコンプライアンスアドバイザー会議は検証を行い「懲戒処分を行うべき案件だった」「事案の隠ぺいと捉えざるをえない」などとする報告書をまとめました。
県教委:
「大変、申し訳ありませんでした」
24日の定例会では、当時の校長と高校教育課長を減給処分に。(当時の校長 減給10分の1→2カ月、高校教育課長 減給10分の1→3カ月)
また、当時の県教委の担当者2人を、指導上の措置にあたる「訓諭」としました。
なお、わいせつ行為をした教諭はすでに退職しているため、処分はできないということです。
県教委 教育政策課・早川恵利課長
「このような重大な事案を起こし、重く受けとめている。再発防止の取り組みを速やかに実行し、今後、このような事案が二度と発生しないように取り組んでいく」
再発防止に向け児童・生徒が被害を訴えた場合、県教委への報告を徹底し、県教委でも担当部署だけでなく、処分の検討を行う委員会でしっかり共有することなどを進めるとしています。
また、県教委の原山隆一教育長は、「直属の部下である高校教育課長の誤った判断による問題で、自分の責任は重い」として、給与の10分の1を3カ月分返納すると明らかにしました。
県教委・原山隆一教育長:
「今回の事案は本来、懲戒処分にするべき。誤った判断で処分せずに退職させた。県民の信頼の根幹に関わる重大な事態、県民の皆さんにおわびを申し上げます」
長野放送[/MARKOVE]