空気を入れた消防用のホースを要救助者の所に伸ばし救出する訓練=7日
長野県諏訪広域消防特別救助隊は8日まで3日間の日程で、氷上から転落した人を救助する合同訓練を岡谷市湊の諏訪湖の船着き場で開いている。事故に巻き込まれる「二次災害」を招かず状況に合った対応ができるよう、氷上の移動の仕方や水中に入らず救助する訓練を行い、万が一に備えて技術の向上を図った。
氷上訓練は、凍った諏訪湖の上に乗る人が散見されることを受け、初めて実施。湖上でスケートをする人々の姿があった時代とは異なり、気象の変化で氷も薄くなり危険性が高まっていることから、より警戒を高めようと行うことにした。
7日は隊員5人が参加し、氷上から転落して水面で助けを求める要救助者の救助訓練をした。隊員が入水しない方法では、空気を入れたホースを要救助者の所に伸ばし救出。隊員自身が入水して助ける訓練では、氷にかかる圧力を減らすため四つんばいで氷上を移動し、氷上に上がる際には氷が割れないよう体を滑らせて乗る方法を習得した。
同隊によると、管内で氷上事故は発生していない。万が一起きた場合には119番通報をし、決して水中には入らないよう注意を促す。
春宮真隊長(42)は「氷上事故で特に恐ろしいのは二次災害」とし、「氷上は本当に危険。諏訪湖に乗ってはいけないという認識を持ってほしい」と呼び掛けている。
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