長野放送
里親の立場を利用し養育していた子どもに性的虐待を繰り返したとされる男の裁判。裁判所は「卑劣かつ悪質な犯行」として懲役5年6カ月の実刑判決を言い渡しました。
児童福祉法違反などの罪に問われている58歳の男は、被害者の少女が18歳未満と知りながら里親としての立場を利用し去年5月以降、養育していた自宅で10回以上、性的虐待を重ねたとされています。
男と弁護側はこれまで「恋愛感情があった。同意していた」などと主張してきました。
16日の判決公判で裁判長は「被害者は応じなければ元の児童養護施設に戻され友人と離れてしまうと感じていた」とし、弁護側の主張は採用できないとしました。
その上で「卑劣かつ悪質な犯行」とし、懲役5年6カ月の実刑判決を言い渡しました。男は、主文が読まれている間、裁判長の方にまっすぐと視線を向けて聞いていました。
男は「当然の刑」などと弁護人に話し、控訴しない意向だということです。
県里親会連合会は…
県里親会連合会・市川和美虐待防止委員長:
「5年6カ月の判決でしたが、本当に5年間で(少女の)傷が癒えるか疑問。(何かあったら)児童相談所にすぐ通報がいくとか、校長先生のところに相談がいくとか、今後(県には)しっかりとした道筋を立ててもらいたい」
里親を認定する県こども・家庭課は「判決を重く受け止め再発防止に向け検証していきたい」とし、年度内に報告書をまとめたいとしています。
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