フジバカマの花畑を背に笑顔を見せる伊藤さん(後列左端)や有志の皆さん
諏訪市四賀普門寺の白狐公園横の畑にアサギマダラが飛来する花畑をつくる取り組みが行われている。国内外でチョウの採集をしているチョウ愛好家の伊藤春行さん(67)=同市中洲下金子=の呼び掛けで3年前にスタート。アサギマダラが好んで蜜を吸うフジバカマ(キク科)を徐々に増やし、今年は60匹弱が飛び交う日も出てくるようになった。地元住民らが花畑を訪れて楽しんでいる。
アサギマダラは「旅するチョウ」として知られ、海を越えて2000キロを移動する個体もあるという。諏訪の地で多く見られるように―と伊藤さんが、2018年3月の長野日報の紙面上でフジバカマを植える空き地の提供や作業の協力者を募集。現在の白狐公園横の畑の提供を受けたほか、諏訪地方各地から賛同者が集まってフジバカマの種や株も分けてもらったという。
18年3月に植えた10株から始まり、現在は約1500株まで増やした。18年に飛来したのは1匹だったが、昨年は10匹ほど飛来した日も確認。今年はついに9月21日に60匹弱が集まり、伊藤さんをはじめ畑の所有者らは「20匹ほど来ればいいと思っていたので想像以上」と喜ぶ。
アサギマダラは近づいてもあまり逃げないため、ゆっくり鑑賞できるのも特徴。伊藤さんは「大きいチョウでゆっくりと飛翔し、半透明の薄い青色の部分が、太陽を背に眺めた時何とも言えない色彩で気に入っている」と魅力を語る。
現在は伊藤さんのほかに30人ほどの有志が株分けなど花畑の手入れをしている。近隣住民らに足を運んでほしいと今後新たに看板を設置し、名入れもしたいという。伊藤さんは「今後もさらにフジバカマを増やし、もっと飛んできてほしい。アサギマダラを見たことがない多くの人に足を運んでもらえたら」と期待を寄せている。
今年は10月初めごろまでアサギマダラが見られそうというが、「(見学は)急いでください」と呼び掛けている。問い合わせは伊藤さん(電話090・1869・8617)へ。
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