出征する兵士と家族の写真や、戦時中の資料などがそろう会場=伊那市高遠町歴史博物館
戦時中の家族写真や資料を紹介する「出征兵士と家族の肖像展」が、長野県伊那市高遠町歴史博物館で開かれている。地域住民から寄せられた戦地に向かう兵士と家族の写真をはじめ、当時を記録する資料など約80点を展示し、悲惨な戦争を今に伝えている。22日まで。
2015年に企画した特別展「戦争の残影」で写真の寄贈を受けたことをきっかけに、終戦記念日に合わせてこの時期に開いており、今年で6回目。写真では、家の前で一堂に並ぶ家族、兵士を見送るために駅に集まった大勢の市民、陸軍の伊那飛行場などが写されている。写真には提供した家族による説明文が添えられ、「父は常々『戦争がもう少し長引けばこの世にいなかったかな』と言っていました。その8年後に私は生を受ける事ができました」などと思いがつづられている。
会場では、出征前に知人らが寄せ書きした日章旗、銃弾で撃ち抜かれた水筒、米軍機から投下された焼夷弾など貴重な品がそろう。
有賀克明館長は「兵士を送り出す家族の凛とした表情から、背後に隠された気持ちをくみ取ってほしい」と話している。
入館料は一般400円、高校生以下無料。開館時間は午前9時~午後5時(最終入館は午後4時30分まで)。問い合わせは同館(電話0265・94・4444)へ。
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