霧ケ峰高原・池のくるみ周辺でハルザキヤマガラシを除去する参加者
長野県や市町、地権者などでつくる霧ケ峰自然環境保全協議会は27日、昭和30年代前半の草原植生を目標とした「霧ケ峰自然保全再生実施計画」に基づく外来植物の駆除作業を始めた。初回は小和田牧野農業協同組合(諏訪市)所有地で実施。コロナ下で停止していた一般ボランティアを4年ぶりに受け入れ、草原帯に侵入・定着するハルザキヤマガラシを抜き取った。
県諏訪地域振興局や諏訪市の職員、同組合員、ボランティアら34人が参加した。ハルザキヤマガラシの見分け方と駆除方法を確認してから、池のくるみ周辺で班ごとに作業を開始。根こそぎ取り除いたり、根本付近から刈り取ったりした。抜き取り跡には土を戻すことを心掛けた。
ハルザキヤマガラシは欧州原産の多年草で、特に道路脇に目立つ。小和田牧野の藤森聡一組合長は「黄色で目立つ花のためか、ボリュームを感じる。作業で減らし、草原の保護再生につなげたい」と話していた。
9月上旬まで計6回の作業を計画。夏はへラバヒメジョオンやオオハンゴンソウなどの外来種駆除を行い、秋には背丈のあるススキ、地表を覆うササを刈り取って多様な在来植物が育つ環境を目指す。
協議会事務局の県諏訪地域振興局環境課によると、今年度は、過去10年間の作業におけるモニタリング調査の結果を基に実施計画を見直していく予定。「効果を検証し、来年度以降どのような手法や規模で行っていくのが好ましいか検討したい。人員(作業協力者)の確保も今後の課題になる」としている。
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