会見であいさつする諏訪圏工業メッセ実行委員会の細田秀司委員長(右)
旧東洋バルヴ諏訪工場跡地(諏訪市)の建物閉鎖を受け、諏訪圏工業メッセ実行委員会は17日、今年10月に予定する「諏訪圏工業メッセ2023」は岡谷市民総合体育館を主会場に開催すると発表した。同市のテクノプラザおかやをサブ会場にした分散開催。諏訪市の諏訪商工会館で開いた会見で、細田秀司実行委員長は「規模は縮小するが県内の中小企業の販路拡大と人材育成につなげたい」と話した。
旧東バル跡地は昨年10月、同メッセ開催中に工場建屋の外壁の一部が剥がれ落ち、空気圧縮機を直撃して破損させる事故が発生した。けが人はなかったが、かねて懸念されていた老朽化が浮き彫りとなり、市は建物使用の新規使用を停止。昨年12月、今年度いっぱいで閉鎖する方針を示した。
同メッセは第1回を開いた02年から、旧東バル跡地を会場として使用してきた。建屋内約1万平方メートルの広さを生かし、県内最大の工業見本として諏訪地域を中心に県内外から多くの中小企業が出展。新型コロナウイルス感染症の影響で3年ぶりの対面開催となった昨年は、390社が509小間のブースを構えた。
今年のメッセの会期は10月19~21日。岡谷市民総合体育館は、床面積が約3900平方メートル、テクノプラザおかやは60平方メートルほど。広さを重視し、会場が複数に分散しないとの観点から選んだという。今月13日に開いた実行委で正式に決定した。
同実行委の小坂和夫推進本部長は、会場面積は半減するが、諏訪地域の中小企業から地元開催を望む声が多く寄せられたと説明。「規模縮小は否めないが、メッセの目的は企業間の関わりの活性化。検討期間は短いが調整したい」と話した。
体育館はスポーツ施設であり、床荷重(床の強度)は1平方メートル当たり360キロであることから、「従来のように重量物を(会場に)入れることは難しい」と指摘。荒井誠司事務局長は「出展企業を減らしたり、ブースの大きさを変更したりするなど、これまでのメッセから大きく変わる可能性もある」と話した。
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