演武も奉納された旧御射山神社の例祭
長野県諏訪市郊外の霧ケ峰高原にある旧御射山神社で27日、例祭があった。地権者の上桑原牧野農業協同組合(宮坂正組合長)の役員ら約20人が参列。五穀豊穣の祈りとともに、新型コロナの収束を願って邪気を払う演武の奉納もあり、厳かな雰囲気に包まれた。
神事では、前島正宮司が祝詞を上げ、古式にのっとってススキの穂を添えた玉串をささげた。ほこらの前で演武もあり、新陰流兵法師範の三好妙心さん(43)=茅野市北山=が、日本刀を全方位に振り下ろして邪気を払い、「世界中から悪疫が退散するように」と願いを込めた。
例祭は新型コロナの感染拡大を防ぐため、昨年に続いて参列者を減らすなど規模を縮小した。宮坂組合長(65)=諏訪市四賀武津=は「6月の御柱祭に続き、長年続く祭事も無事に終えることができた。来年こそは感染症が収まり、盛大にできれば」と話していた。
一帯は、諏訪神社下社の大祝金刺氏の禁猟地で、かつて御狩神事が行われていた。鎌倉時代には大祭が営まれて各地から武将が集い、ススキで作った穂屋に5日間こもり、武芸を競ったという。御射山社は江戸時代初期に下社秋宮近くに移された。
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