長野放送
高校生の話題です。長野市の城山動物園が鳥の「ゴイサギ」の飼育環境を改善したとして表彰されました。発案したのは、動物好きの一人の高校生です。
サギの一種「ゴイサギ」の「ゴーくん」。長野市の城山動物園の鳥小屋で飼育されています。
2022年「ゴーくん」に新たな居場所ができました。それは大型水槽です。
中には水やシダなどがあり野生のゴイサギが過ごす水辺が再現されています。
長野高校3年・野池真緒さん:
「中心に太い枝が横たわっている。ゴーくんが水槽に入りやすいということで」
動物園と協力して設置したのは、長野高校3年の野池真緒さんです。
野池さんは小さいころから大の動物好き。しかし、動物園に通いつめるうちにある違和感を感じました。
長野高校3年・野池真緒さん:
「なんとなく動物がすることがなくて、退屈そうにしているような印象を持ったことがあった」
高校では「課題研究」のテーマに動物園の飼育環境を考える「環境エンリッチメント」を選択。
2022年は城山動物園のすべての動物の環境改善をまとめ、園に提出しました。
(野池さんのアイデア)
「『カリフォルニアアシカ』。水に沈むようなエサを沈めておいて、それをアシカに採って食べてもらう。高い潜水能力を発揮できるし、食事時間を長くすることができる」
これには動物園側も…
飼育員:
「本当に足しげく通ってくれて、こっちにも動物が好きだという気持ちが伝わってきた」
このうち実現が可能な「ゴイサギ」のゴーくんで野池さんの案を実践。
夜行性ということもあり開園中はあまり動く姿が見られなかったため、野池さんの案を基に2022年3月、野生の環境に近い大型水槽を設置しました。
最初はなかなか水槽に入りませんでしたが、餌置き場を動かすと水槽に近づき、そして、ついには水槽の中に入り魚をパクリ。
今では水槽に入る活発な姿をみることができるようになりました。
長野高校3年・野池真緒さん:
「本当に入ってくれるんだというのが一番大きかった。水槽の存在がゴーくんの生活に少しでも刺激になっていたらいいなと」
こうした活動が評価され、2022年、動物園を支援する団体から野池さんと城山動物園が表彰されました。全国の動物園で唯一だということです。
野池さんの将来の夢は「獣医師」。今後も動物たちに寄り添っていきたいということです。
長野高校3年・野池真緒さん:
「動物たちの生活を自然に近いものにできるように、豊かな生活を動物が送れるようにするための方法を考えたい」
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