支援事業について会見する西村組合長(右)
長野県のJA上伊那は24日、組合員を対象に価格高騰が続いている肥料・飼料・資材の購入費を補助する独自の支援事業を発表した。今年1月1日~12月31日にJA上伊那の資材店などで買った対象商品の代金のうち原則5%を賄う。初の試みで支援総額は約1億3000万円を予定。来年3月下旬に各自の口座に入金する。
JA上伊那によると、化学肥料の主要原料や配合飼料原料の多くは海外からの輸入品。輸出国の政策や東南アジアでの肥料需要の高まりに加え、ウクライナ情勢などさまざまな要因が複雑に影響し合い、調達の不安定化や値上げにつながっているという。
対象の組合員は約3万人。対象商品は肥料、飼料、一般資材(種苗花木や施設資材は除く)、出荷資材で、いずれもJA上伊那の資材部門か上伊那地域にあるコメリ8店で購入したもの。コメリ店で購入した商品にはレシートなど確認書類が必要になる。
今回の支援事業に併せ、畜産農家の収支悪化や離農を防ぐため畜産部会員に総額約550万円(予定)の支援金を支給する。牛は1頭あたり2000円、豚は10頭あたり1000円などとなっている。
同日に伊那市の本所で開いた会見で西村篝組合長らが説明した。西村組合長はコスト増加などによる農業者の厳しい経営状況に触れ「将来的な支援も含め、とにかく今やらないとどうにもならない」と危惧。JA上伊那を支える組合員のため、それぞれの利用に応じた支援の重要性を指摘した。
特別支援は2023年度も実施を予定している。
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