今年度の営業を15日で終了した県霧ケ峰自然保護センター。リニューアル初年度の入館者数は2015年度以降で最多となった
長野県霧ケ峰自然保護センター(諏訪市)は15日、今年度の営業を終了した。施設の機能強化へ展示物の充実などリニューアルして初年度となった今年度の入館者数は1万4210人で、2015年度以降では最多となった。同センターは「改装の効果が出た」とし、「来年度以降も霧ケ峰の自然環境保全の活動に楽しんで参加できる取り組みを提案したい」と話している。
1973年の開館で施設が老朽化。県が2019年に策定した機能強化方針に基づいて工事し、今年4月29日に改装オープンした。哺乳類や鳥類を紹介するタッチパネルを新設し、 壁面には霧ケ峰の自然や歴史、研究成果などを説明するパネルを掲示した。大型モニターを導入し、四季折々の自然や人間の営みを紹介する映像を上映。屋外には草原や 山並みが望める眺望テラスや展望デッキを設けた。
民間のノウハウで魅力を高めようと指定管理者制度を導入し、今年度から諏訪観光協会が管理運営。ガイドウオークでは、ニッコウキスゲをデザインしたピンバッジや高原にある「霧鐘塔」から見える山々を紹介する冊子を参加者にプレゼントするなど霧ケ峰をより身近に感じてもらう工夫をした。
こうしたハード、ソフト両面の充実が入館者数の増加につながった形。新型コロナ禍直前の2019年度は1万2865人だった入館者数は、感染拡大で21年度は5245人にまで減少していた。今年度は一時感染者が減り、移動にあまり抵抗がなかったことも増加した要因とみられる。
来館者に記入してもらうアンケートでは、展示物の見やすさや施設内の雰囲気の明るさ、スタッフの応対の良さを評価する声が寄せられたという。同センターは「霧ケ峰は地元の宝。地元の人がさらに足を 運んでもらえるようアピールしたい」としている。来年度は4月15日に開館する予定。
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