武田信玄の娘たちを熱演する中高生たち
長野県諏訪清陵高校と同校付属中学校、茅野高校などに通う地元の中高生ら5人が、戦国時代に諏訪を統治した武田信玄の娘たちを演じる歴史舞台「信玄の姫たち」が6日、諏訪市小和田の八剱神社神楽殿で上演された。生徒たちは時代に翻弄(ほんろう)されながら強く生き抜こうとする女性の姿を熱演した。
日本の女性が育んできた精神性を次の世代に伝え、世界に発信する「やまとなでしこプロジェクト」の一環。歴史舞台演出家の六条太郎さん(58)=京都府宇治市=が代表となり「日本の中心である諏訪」から広めていこうと、2021年から活動を始めた。八剱神社での歴史舞台奉納は昨年に続いて2回目。
生徒たちが演じたのは、信玄の愛情を受けて育ち、信玄亡き後は覇権争いの波に巻き込まれる娘たち。平和な日々が暗転し、争いや裏切りが横行する世の中に戸惑いながら、信玄の教えを守り、気高く生きていく姿を演じた。三味線や横笛などの和楽器奏者が生演奏と舞台回しを担い、神楽殿前に詰め掛けた観客を物語の世界に誘っていた。
生徒たちは8月から週3回の稽古を重ね、戦国時代の女性の言葉や所作を学び、境内の清掃奉仕や神事に参列して芸と心を磨いてきたという。末娘役を演じた諏訪清陵中3年生(15)=箕輪町=は「『強く生きたい』というメッセージが伝われば」と願っていた。
歴史舞台に合わせ、マリオローヤル会館(茅野市)で親子セミナー、仏法紹隆寺(諏訪市)で音楽ライブも開かれた。
六条さんは来年から諏訪を飛び出し、地域の歴史を踏まえて地元の高校生が出演する歴史舞台の取り組みを新潟県などで行う計画という。
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