富士見パノラマリゾート・ゴンドラ山頂駅近くの山野草公園で咲き始めたイチヨウラン
長野県富士見町の富士見パノラマリゾート・ゴンドラ山頂駅近くにある「入笠すずらん山野草公園」で、ラン科のイチヨウランが咲き始めた。ササ刈りを主とした環境整備と、野生獣の食害対策を継続してきた結果、10年前は数えるほどしかなかった株が増加。観賞路を新たに設置し、独特の形をしたかれんな花を楽しんでもらう環境も整えた。
亜高山帯などの針葉樹林内に生育する地生のラン。イチヨウの名の通り1枚だけ葉を出し、花茎が直立して花を咲かせる。丈が15センチ前後と目立つ存在ではないが、あちこちで「姉妹」と呼ばれる重なり合って咲く姿が見られ、「10人ほどの姉妹もいる。一つとして同じ顔の花はなく、まさに十人十色です」。6月下旬まで楽しめそうという。
絶滅危惧種に指定する県もあるイチヨウラン。同リゾートでは、わずかな個体があった園内の一角を保護区域に設定し、シカやノウサギの食害から守るネットを設置。ササ刈りを含む継続的な保護活動の成果で「立派に咲き、お客さまに見てもらえる状況になった」といい、ネットの内側に沿うように観賞路を設けた。
21日にはスズランの開花期に合わせた「120万本のすずらん祭り」が開幕。6月19日までの期間中は、ゴンドラ往復券購入者への山野草プレゼントもあり、「一帯の花々を楽しんで」と来場を呼び掛けている。
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