現役最後のレースとなった全日本距離別選手権女子500メートルで優勝し、笑顔で手を振る小平奈緒(相沢病院)=長野市エムウェーブ
2018年平昌五輪スピードスケート女子500メートル金メダリストの小平奈緒選手(36)=相沢病院、茅野北部中-伊那西高-信州大出=が22日、長野県長野市エムウェーブで行われた全日本距離別選手権の500メートルで現役最後のレースに臨んだ。北京五輪銀メダリストの2位高木美帆選手(日体大職)に0秒69差をつける好タイムで圧勝し、8連覇で有終の美を飾った。
約6400人収容の会場には小平選手の雄姿を一目見ようと多くの観客が詰めかけ、1998年長野五輪以来となる満員に。会心のレースを見せた小平選手は何度も手を振って大観衆の拍手に応え、「夢にまで見た(満員の)会場で滑ることができ、本当に幸せでいっぱい」と感無量の表情で話した。
この日の全日程終了後には引退セレモニーも行われ、日本連盟の橋本聖子前会長らから小平選手に花束が贈られた。このほか親友で五輪2大会金メダリストの李相花さん(韓国)や親交のあるフォークデュオ「ゆず」の北川悠仁さんがねぎらいのビデオメッセージを寄せ、小平選手がオランダ留学時代にコーチだったマリアンヌ・ティメルさんも駆け付けた。
レース後は笑顔だった小平選手もセレモニーでは胸にこみ上げるものがあったようで、時折声を詰まらせながら「ここまでたくさん両親のサポートを受けて、こんなにたくさんの人に囲まれてスケート人生の終止符を打つことができた」と感謝。小平選手からも観客に信州産リンゴや自身の思いをつづった冊子をサプライズプレゼントした。
茅野市豊平出身の小平選手は23歳で初出場した10年バンクーバー五輪では団体追い抜きメンバーとして銀メダル獲得に貢献。31歳で臨んだ平昌五輪では500メートルでスピード日本女子初の金メダルに輝くとともに、1000メートルも銀メダルを獲得した。今年2月の北京五輪は大会直前に右足首を捻挫した影響で500メートル17位、1000メートル10位に終わった。
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