長野放送
長野県内を襲った2019年の台風19号災害から3年です。2人が犠牲となった佐久市では12日、市役所で黙とうが捧げられました。被害の大きかった入沢地区では、復興が進む一方、コミュニティーの維持などが課題となっています。
台風19号災害で2人が犠牲となった佐久市。市役所では12日正午、1分間の黙とうが捧げられ、犠牲者を悼むとともに防災への思いを新たにしました。
佐久市危機管理課・春山也寸志課長:
「犠牲者を出すことなく、災害に強いまちづくりを改めて構築していきたい」
被害の大きかった入沢地区。2019年10月12日に千曲川の支流・谷川が氾濫、護岸や川沿いの道路が崩れるなど大きな被害が出て住民1人が犠牲となりました。
災害から3年。護岸の改良復旧工事は上流側から進んでいます。
一方で…
(記者リポート)
「下流側、住宅の多い地域に来ますと、3年たっても土のうが積まれている場所がまだ残っています」
県は来年度中の完成を目指し川幅を2~3メートルほど広げ、左岸側に新しい道路を通す計画です。これに伴い、住宅の移転が必要で、住民と交渉などを行ってきたため、まだ手付かずの場所も残っているのです。
住民:
「これから、それ(19号)以上の台風が来ないという保証がないわけですから、それに向けて地道に計画してもらうことが一番じゃないですか」
すでに全世帯が移転を終えたということです。
一方、住民が減りコミュニティーの維持が懸念されています。こちらは谷川にかかる橋。内に市や住民が設置した橋が21本あり、住民が行き来しながら交流していました。
しかし、流されたり工事のために外されたりして今後、8本まで減る予定です。
谷川沿いに住む女性(78)は、住民の減少し、橋がなくなったことで地域の活気がさらに失われていくことを懸念しています。
谷川沿いに住む女性(78):
「(川を挟んで)すぐ前の家がお友達の家だったから、今は車で回っている。不便は不便。(災害に加え)過疎化であり、人口が少なくなるにしたがって、昔のような交流が薄くなるなって感じはある」
災害から3年。復興が進む一方でコミュニティーの維持が課題となっています。
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