天竜川本流に立ち入り、中村さん(右)の指導で漁を体験する生徒
昆虫食文化をテーマに学習する公文国際学園中等部(横浜市)の3年生26人が28日、長野県伊那市を訪れ、伊那谷の伝統漁法ザザムシ漁を体験した。地元の天竜川漁業協同組合が全面的に協力。天竜川に立ち入った生徒たちは漁歴約40年の中村昭彦さん(78)=伊那市=の手ほどきを受けながら備中ぐわで川底をかき回し、石の表面に生息する水生昆虫を捕獲した。
同校では約10年前から探究の授業で日本文化を研究。グループごとに調べた結果を発表し、優れた内容のテーマが行われている本場の地域を訪れて、実際にその文化を体験する旅行を実施している。今回、初めて昆虫食をテーマにした研修が実現したという。
漁では、まず漁協の伊藤伸一組合長(53)が河川敷でザザムシの種類を説明。中村さんが川に入って漁を教えた。生徒たちは履いた長靴に水が入るのも構わずに川を動き、網へ入ったザザムシを観察。漁を体験した同校の生徒(14)は「上流の石を動かすことで、下流に置いた網に虫が入る漁を考えた昔の人は頭がいい」と感心した。
この日は中村さんが調理したザザムシの甘露煮が振る舞われた。試食した生徒(14)は「昆布と煮干しを混ぜたような味。とってもおいしい」と笑顔。伊藤組合長は「ザザムシ漁への理解が深まってうれしい。川で楽しそうな子どもたちの姿が印象的だった。また伊那に遊びに来てほしい」と目を細めた。
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