引き渡し場所となる富士見町机の倉庫に下水汚泥発酵肥料を搬入する「つくえラボ」とクリーンユーキのスタッフ
長野県富士見町机の合同会社「つくえラボ」は、町内で生じた下水汚泥の一部も使って製造された汚泥発酵肥料の常時販売を始めた。ウェブ注文に加え、町内の道の駅「信州蔦木宿」で月2回、商品説明をしながら対面で注文を受ける注文・相談会を開催。初回を4日午前9時~正午に行う。注文者には指定日に机区内で引き渡す。一般的な化学肥料の価格が高騰する中、低価格で環境にも優しい資源循環型肥料が脚光を浴びそうだ。
ラボは、汚泥発酵肥料を活用した循環型農業を地域と実践し、「じゅんかん育ち」の農作物の輪を広げている。当初は先進地の佐賀市から仕入れていたが、昨年度、町単独公共下水道の処理施設で生じた汚泥の一部を持ち込んでいる肥料製造業「クリーンユーキ」佐久工場からの定期的な仕入れが実現。町内で年2回のペースで一般販売をしたが、同社の協力で常時販売へと発展した。
机区内にあるJA信州諏訪旧落合支所で、引き渡し日を設定して注文者に渡す。1袋15キロ入りで、販売価格は1袋350円。50袋以上の注文は同300円とし、春と秋に25袋ずつなど最大2回まで分納可能とする。同道の駅での注文・相談会では汚泥発酵肥料の成分や使い方も説明。初回の4日は”お試し”用に限定20袋を会場で販売する。
下水汚泥には肥料の主成分となる窒素やリンが含まれており、同社では県産の間伐材チップを混ぜて堆肥化。安全性も証明されている。化学肥料の原料の大半は輸入に頼っているが、低価格で提供できるのも「純国産」の有機質肥料ならでは。ラボは、地域の汚泥発酵肥料利用者から「じゅんかん育ち」の野菜を集荷し、同道の駅直売所への出荷を後押しする活動も始める。
[/MARKOVE]