注連掛を出発し、新緑の中を進む秋宮一之御柱。雨上がりの曳行路で、川岸地区の氏子たちが力を合わせた
諏訪大社式年造営御柱大祭(御柱祭)の最終章を飾る下社里曳きが14日、3日間の日程で長野県下諏訪町で開幕した。初日は春宮、秋宮合わせて8本の曳行が行われ、春宮の4本を春宮境内に曳き着け、秋宮の2本が境内を通過。秋宮三、秋宮四は春宮境内で曳行を終えた。町中心部の通りでは「神賑わい催物パレード」が始まった。心配された雨も上がり、午後には汗ばむ陽気に。多くの氏子が曳行や催事に繰り出し、マスク越しの笑顔で町内は祭り一色に彩られた。
4月の山出しは新型コロナウイルスの影響で史上初のトレーラー運搬だったが、5月の里曳きは参加者を把握し、健康状態を確認するなどの感染対策を徹底し、従来通り人力で御柱を曳行した。
御柱は春宮、秋宮の順に注連掛を出発し、春宮を目指して新緑の曳行路を進んだ。出発地点の注連掛では小高い丘の上から、春宮の境内では木立の間を抜けるようにそれぞれ木落しが行われた。最後尾の秋宮四が春宮境内に木落ししたのは、予定より2時間遅れの午後9時30分。前回に続いて曳行時間は大幅に遅れ、照明が照らす夜間の御柱曳行となった。
催物パレードは地元の下諏訪町御柱祭実行委員会の主催。今回は規模を縮小し、四ツ角から秋宮に至る大社通りで、騎馬行列が伝統の所作を披露した。華麗な歴史絵巻で沿道の見物客を魅了した。
里曳き2日目の15日は、春宮で春宮三を除く3本の建て御柱を行う。秋宮の御柱4本は町中心部を曳行。催物のパレードは16団体の長持ちや4団体の太鼓やラッパの演奏が繰り広げられる。
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