騎馬大将に続いて登場した曲傘と草履取り。華やかな所作で街道を彩った=下諏訪町第三区
諏訪大社御柱祭の下社里曳きが開幕した14日、長野県下諏訪町の市街地で騎馬行列が行われた。明治時代初期から継承されている第一区と第三区が「神賑わい催物パレード」の中で披露した。1972年に町無形文化財に指定された伝統の所作に、見物客から声援や拍手が送られた。
新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け、両区とも練習を開始したのは1~2カ月遅れの3月に入ってから。騎馬子の担い手確保にも苦労したがパート練習を重ね、急ピッチで”形”に仕上げた。
主催する町御柱祭実行委員会は規模縮小での催物パレードの開催を決定し、ガイドラインを策定。出演者らの健康観察やリストバンドの着用などを徹底した。本番ではコーンを設置し、出演スペースと観覧スペースを1メートル以上保ち、スタッフが注意の呼び掛けも行った。
第一区は戦いに向かう「出陣騎馬」。上下の動き「立浪型」で士気を鼓舞する所作が特徴だ。例年、百数十人が参加する行列は今回は人数を減らし約70人。見せ場の「騎馬落とし」は秋宮鳥居前で行ない、最後に騎馬大将の児童(12)=下諏訪北小学校6年=が馬から降り、北島和孝宮司に書状を手渡した。騎馬大将の児童は「最後まで全力でやりきれた」と満足げだった。
第三区は戦いに勝った喜びを「横波」の動きで表現する「凱旋騎馬」。こちらも人数をしぼり約50人の隊列となった。騎馬大将の児童(10)=諏訪市湖岸通り=は「緊張したけど楽しかった。堂々とできた」と大役を振り返った。
前回の御柱祭では草履取りに参加し、今回は曲傘を務めた諏訪清陵高校1年の生徒(15)は「今回はコロナ下での行事となり、周囲の協力に感謝したい。今後も地元の無形文化財を大切にしていきたい」と語った。
第三区は15日もJR下諏訪駅の北側周辺などで騎馬行列を披露する。
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