吉松俊一さん（88）
長野県で5月8日、3年ぶりに「寿野球」の全国大会が開かれました。大会の発案者で、最高齢での出場となった88歳の医師も元気にプレー。しかも「三刀流」でした。
NBS長野放送
ナイスバッティングにも、凡打で終わっても、選手たちに笑顔があふれます。8日に千曲市と坂城町で開かれた「寿野球全国大会」。
新型コロナの影響で2020年と2021年は中止となり、3年ぶりの開催で、県内外の33チームが参加しました。出場資格は40歳以上で、ナインの合計を450歳以上にするのがルールです。
NBS長野放送
金属バット2本で素振りをする吉松俊一さんは、今大会最高齢の88歳。大会の発案者でもあります。
吉松俊一さん：
「もし出たらピンチランナー出して。出たらね」
気合十分で打席に立ちましたが…
デッドボール…。
吉松俊一さん：
「セーフで出てよかった」
観客：
「大丈夫？」
吉松俊一さん：
「大丈夫、大丈夫」
診察する吉松俊一さん（上山田病院・2021年9月取材）
野球を愛してやまない吉松さん。その半生は野球と共にありました。
吉松さんは上山田病院の現役整形外科医。今でも週2回、診療をしています。そして、長く携わってきたのがプロ野球の「チームドクター」です。
王貞治さんと（提供：吉松さん）
1970年代、巨人軍にケガをした選手を休ませるよう進言する手紙を出したところ、上層部の目に留まり、やがてチームドクターに。最初に診療したのは、肉離れを起こした後の「世界のホームラン王」王貞治さんでした。
吉松俊一さん（当時）：
「『王さん、これ（肉離れ）は大したことないと思ってはいけない。思い切って休んでください』と言った」
その後、セ・パ両リーグでチームドクターを務め、ひじのアイシングなどを日本球界に広めました。
吉松医師の診療
その一方で、吉松さんは高齢化社会を見据え、「野球での健康維持」を提言。行政とも協力し、47年前に「寿野球大会」をスタートさせました。
吉松さんは3年前に脳梗塞を患いましたが「現役」を続行。自身で立ち上げたチーム「生涯球友クラブ」の仲間と、寿野球大会に出場してきました。
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