同実行委が設置・運営する山出しの観覧席や里曳きのパレードなどについて、同実行委は観覧者や関係者向けの独自の新型コロナウイルス感染対策のガイドラインを策定し、実施を模索してきた。
ガイドラインでは県の感染警戒レベル「4」以上で観覧席、パレードとも中止すると規定。感染状況が見通せない中ではあったが、昨年12月末、大総代組織が感染症対策を徹底した上で御柱祭の準備を進める方針を示したため、同実行委も1月上旬から観覧席チケット販売などを開始。今月27日まで2次販売の申し込みを受け付ける予定だった。
同実行委によると、今回は3日間で有料観覧席を延べ約7300席用意し、このうち5300席を一般販売。これまでに、旅行会社向け2000席を含め、約5000席が販売見込みとなっていた。観覧席中止を受け、決済済みのチケットなどの払い戻しを行う。一般販売ではあらかじめチケット代に含まれたお土産セットなどのキャンセル料(約1万1000円)を差し引いた金額を返金する。実施中の2次販売はすべて中止する。
観覧席の設置工事も中止する。1月下旬から砥川河川敷の造成工事に着手し、地盤工事が2月上旬に完了。2月下旬から観覧席入場用の橋の工事などに入る予定だった。
実行委会長の宮坂徹下諏訪町長は「大変残念だが、まだ里曳きがある。多くの皆さんに楽しんでもらえるよう、対策を取って進めたい」とした。
実行委員長の小林秀年下諏訪商工会議所会頭は「観覧席の中止は町内、諏訪地域の経済にとって損失が大きいが、里曳きが安心安全で楽しい祭りになるよう、責任を果たしていきたい」と述べた。[/MARKOVE]