御神渡りの注進奉告祭でしめ縄をたき上げる炎を見つめる八剱神社の関係者
諏訪湖面に張った氷の亀裂がせり上がる御神渡り(御渡り)の判定と神事をつかさどる八剱神社(長野県諏訪市小和田)は19日、今季の結果を神前に報告する注進奉告祭を同神社で行った。宮司や氏子総代ら約30人が参加。4季連続でシーズンを通じて御神渡りが出現しない「明けの海」となった旨を奉告した。
今季は出現の第一条件となる「全面結氷」が計9日間で認定されたが、強風や雨の影響でいずれも解氷。平成以降の34年で25回目となる明けの海が宣言された。
神事で宮坂清宮司(71)が「1月の7日全面結氷し、その後解氷結氷を繰り返し、大寒の後には寒気続かず、強風によりて氷砕けて高木の浜に氷打ち上がり、明けの海となりて御渡りござなくそうろうなり」と読み上げた。続いて、出現時に氷上で行う「拝観式」で氏子総代らが肩から掛ける予定だったしめ縄80本をたき上げた。参加者は名残惜しそうな表情で灰になる縄を見つめながら、来季の出現を静かに祈っていた。
宮坂宮司は「明けの海は残念だったが、これも一つの結果と受け止めた。改めて自然の不思議や神秘を実感した」と話した。大久保一大総代(71)は「今年は期待が大きかっただけに残念な思いがある。任期中に1、2回は出現を経験できれば」と来年以降に思いを寄せた。
奉告祭に続き、結果を記した注進状を諏訪大社に奉奠(ほうてん)した。大社を通して宮内庁に言上(ことあげ)、気象庁に報告される。
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