会見には、信州大学名誉教授でミヤマシジミ研究会の中村寛志会長、鱗翅学会信越支部の井原道夫支部長、小田切康彦村長らが出席。生息確認の経過やこの時期の発表について「過去に村内生息の記録もあったが、改めて村民にも関心を高めてもらおう」などと理由を明らかにした。
説明によると、同村新田のアサギマダラの里隣接地で村が進めていた「村民憩いの蝶の森」整備事業の一環で井原会長に村内のチョウの生息調査を依頼。昨年4月~10月に月2回ずつ調べたところ、同年8月に大久保区内でミヤマシジミの生息を確認。中村会長や飯島町でミヤマシジミの保護を指導する東京大学の宮下直教授が現地調査した結果、「全国的に見てもトップの繁殖地」と確認したという。
現状については「個体数は年間で辰野町荒神山と同程度の3000ほど」「周辺はよく草刈りが行われ、食草のコマツナギが残る環境が保たれている」などとした。また、ミヤマシジミ生息地一帯に、いずれも準絶滅危惧種のチョウ「クロツバメシジミ」とその食草「ツメレンゲ」も確認したとの報告もあった。
今後の対応については、最終処分場建設に反対する環境を守る会との連携や、村内の生息調査の継続と生息マップの作成、組織的な保護体制構築を検討しているとした。
小田切村長は「村は人と自然に優しい村を目指している。アサギマダラに次ぐ対象として保護に取り組みたい」と話している。[/MARKOVE]