自らの”持ち場”で水温を測定する茅野さん=11日午前6時42分
長野県諏訪湖の御神渡りの観察は今季の開始から12日で1週間となる。7日には観察3日目で早くも「全面結氷」が宣言されるなど4季ぶりの御神渡り出現に期待が高まっている。観察総代は諏訪市渋崎に住む八剱神社総代が伝統的に担っている。そのうちの一人、茅野幸則さん(60)は「立石公園から見た全面結氷した諏訪湖と諏訪の街、山並みの神秘的な美しさは忘れられない」と振り返る。
諏訪市豊田の舟渡川河口近くの観測地では、氷を割って水温を測る場所が2カ所ある。1カ所は突起物のように沖に突き出ている観測地のちょうど真ん中辺りで宮坂清宮司と大久保一大総代が測定し、その様子を報道陣がカメラに収めている。茅野さんが水温を測るのはそのポイントから数メートルほど岸側。宮坂宮司、大久保大総代の測定結果と照らし合わせ、毎日の気温、水温を記録に残している。
小学校高学年の頃には諏訪湖だけでなく、流入河川の上川でスケートをした経験もあるという茅野さん。「今年の冬は寒いというが、氷点下10度が当たり前だった昔と比べると、やっぱり冬が暖かくなっているのだろう」と感慨深げ。それでも同神社の総代として初めての御神渡り観察に「今年ほど冬の諏訪湖を毎日毎日、興味深く見るのは生まれて初めて」。この1週間では、全面結氷した7日の立石公園からの景色が最も印象深く、「私はこんなにも美しい街に住んでいるんだなあとうれしくなった」と誇らしげに語った。
[/MARKOVE]