飛ばした風船を拾った人たちから届いた手紙などを見て、喜ぶ園児たち
「風船はわれていましたが、『笑顔の輪』は広がりました」―。心がほっこりするような手紙が何通も、昨年に風船を飛ばした中川村みなかた保育園に届いた。送り主は、いずれも東京都内で風船を拾った3組。コロナ禍の中、人と人とのつながりを―との思いを乗せた風船は、数百キロメートル離れた人たちとの出会いを生み、園児たちは「手紙が返ってきて、うれしい」と大喜びしている。
昨年11月の参観日。コロナ禍の中での思い出づくりにと、親子で色とりどりの風船を空に放った。環境に配慮した風船には、園の連絡先とともに、「ご縁あって拾ってくださり、ありがとうございます」とのメッセージを添えた。2日間で計100個を飛ばし、東京から3通の返事が届いた。県内に住んだことのある女性は「縁を感じた。皆さんの笑顔がみえるようです」、伊那市と友好都市提携を結ぶ新宿区の親子も「縁を感じた。南アルプスを越えたのでしょうか?。ワクワクする経験でした」とつづった。
思わぬ返事に大はしゃぎした園児や職員たち。園児らが作ったカレンダーや村産リンゴなどを、「ありがとう」の気持ちを込めて送った。昨年12月にお礼の電話があったほか、東村山市の病院からはサンタクロースを描いた額や名産品が届いた。同封の手紙には「中川村、すばらしいところですね。カレンダーと上手に描いてくれた絵は施設に飾りました」と感謝するメッセージが躍っていた。
平田由美子園長は「まさか返事がくるなんて。心温まる手紙に、つながりを感じることができました」。園児たちも、風船に込めた「笑顔の輪が広がりますように」との願いがかない、満面の笑みを浮かべていた。
[/MARKOVE]