「酒を飲みながら地域のことを本音で話したい」と要望した西沢定男さん
山あいの集落に住民のつながりを呼び起こす取り組みです。長野市の芋井地区で3月から始まった「移動居酒屋」。コロナ禍でめっきり減った酒を酌み交わしながら地域のことを語らう場が復活しました。
【動画で見る】語らおう!山あいの集落に「移動居酒屋」 人口減、コロナ…「つながりを」
■キッチンカー横付けの「移動居酒屋」
古民家施設に横づけされたキッチンカーで酒や弁当を販売
山あいを走るキッチンカー。ここは長野市の芋井地区です。古民家施設に2台のキッチンカーが横づけされました。
住民:
「乾杯!」
住民たちの宴会が始まった(3月4日)
中で始まったのは住民たちの宴会。酒や弁当をキッチンカーから購入して、皆で酒を酌み交わしながら語らう移動居酒屋「ポテトむらパブ」です。
住民:
「いっぱい入れてくれ、はいはい、ありがとう」
「どうもうまい、ごちそうさん」
「こういうことって、大好きだね。昔は当たり前にあったんだ」
■地域のことを本音で話したい
長野市芋井地区
この移動居酒屋、住民の要望がきっかけで実現しました。
市街地から車で20分ほどの芋井地区。住民はこの10年ほどでおよそ500人減り、現在は1958人。高齢化率は46.8%です。
芋井の入山集落に暮らす西沢定男さん(85)・照子さん(83)の夫婦。2人で農業に励み定男さんは時折、退職した会社の仲間から頼まれる仕事もしています。この地で3人の子を育て上げ、今は2人暮らしです。
西沢定男さん・照子さん夫婦
夫・定男さん(85):
「孫たちが一緒にいればな、にぎやかでいいんだけど、ダメだ」
妻・照子さん(83):
「ね…」
一緒に暮らしていた三女の家族は2年前、孫の進学を機に家を離れたということです。最近は家の中だけでなく「集落も少し寂しい」と2人は感じていました。
妻・照子さん(83):
「会合といいますか、そういうのもやらなかったり、やっぱりさみしいですけどね」
芋井地区の高齢化率は46.8%
コロナ禍で祭りや行事の後などに酒を飲みながら住民同士で語らう場はめっきり減りました。
住民の減少と高齢化が進む中、みんなで集落や地域のことを酒を飲みながら話せる場が欲しい…。
西沢さんは仲間と地域おこし協力隊員に相談してみました。
西沢定男さん:
「『酒を飲みながら本音を聞きたい』っていう気持ちは持っていた。過疎化が進んできて、子どもたちが少なくなってきて、これからの芋井全体のことをどのようにやっていくか…みんなでね、飲みながらいろいろ本音が出てくれば」
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